BSA Ⅳ オークランド工科大学
林 啓太さん
立命館大学 経営学部国際経営学科・英語コース 2007年4月入学
父の仕事の都合上、小中学校時代をシンガポールで過ごす。それが私の初めての海外交流であった。その後の進路選びの中、やはりその体験を無駄にはしたくないと思い、愛知県立千種高等学校国際教養科に入学する。クラスの半分以上が帰国子女であり、彼らから多くの刺激を受ける。それと同時に自分の英語力のなさを痛感する。大学へ進学したのちに長期留学に出たいと思い、留学プログラムが充実している本校の国際経営学科に入学する事を決め、かねてからの目標であった長期留学に出ることとなった。
第二の故郷ニュージーランド
留学を振り返って、つくづく私は運の良い人間であったと感じる。TOEFL550点取得もしかり、帰国が就職活動の時期にかぶらないこともしかり、また、何よりもニュージーランドという国を選択したことが幸運に恵まれていたと実感する。このニュージーランドがどれほど私にとって適していたかを、よく遊び、よく学び、よく休むという3点から紹介させて頂きたい。これは、私一個人の体験記であり、これから留学を考えている皆さま全てにあてはまることはないが、少しでも力になれる部分があるならば、私の留学にとってそれもまた幸運なことの一つに数えられるだろう。
では、まず、よく遊ぶという点を紹介していきたい。これは私の知見だが、ニュージーランドはパシフィック系の文化をベースに諸外国からの文化を取り入れ、独自の文化を形成している。主だった文化は近隣に点在するパシフィックの島々のものを受け継ぎ、他方ではアジア、欧米、アフリカなど世界各国の文化も見え受けられる。同じ島国である日本とは真逆とも言える文化で、日本が習わなくてはならない部分が多数あると思える。そういった独自の文化の中での遊びは幅が広く面白かった。高校時代ラグビー部に所属していたこともあり、現地のタッチラグビー団体に所属し汗を流したり、夜は友人が働くバーで飲んだり、パーティーに参加したり、天然資源の豊富な南島に旅行にでたりして、ニュージーランドを遊びの面から満喫した。
上述した「よく遊ぶ」という部分だけを見ると、ただ単に遊び呆けた留学生活だったように思えるが、それとはほぼ反対の面が主だった留学生活ということを「よく学ぶ」という点から紹介させてもらいたい。語学力をTOEFL550点という交換留学のボーダーぎりぎりで通過したため、まず言語能力の向上がこの留学の第一課題と必然的にならざるを得なかった。それと同時に、大学の講義についていくのにも苦労した。日本で経営学を学んできたとは言え、まだまだ自分の知識や考え方は浅いことを知り、強い衝撃を受けたことを覚えている。どの学生もそれぞれの見解を持ち、一つのテーマを独自に切っていた。感覚ではあるが、留学の7割は勉強に費やしたように思う。
遊んで、勉強して、また遊んで、勉強して、を繰り返していては体が持たない。ニュージーランドという国は私に程よい休息をさりげなく提供してくれていたように思う。2ndセメスターの半ばに1週間という短い間ではあったが南島に旅行に出かけた。満天の星空とはまさにこのことで、360度どこを見渡しても無数に散りばめられた星が煌々と光輝いていた。それを見たときなにか今まで思いつめていたことがその星に吸い込まれていくように消えてなくなったのを覚えている。その情景は未だに私の目の奥に焼き付いて離れない。いうなればそういった星空は別にニュージーランドでなくても見ることは可能なのかもしれない。しかし、私の体験した人生のなかではニュージーランドでしか見ることの出来ない星空なのである。様々な条件が相俟ってニュージーランドに訪れ、多くの体験をし、「自分」を形成する一部になり得たニュージーランド。そんなバックグラウンドがあの星空にはある。あれは、間違いなくニュージーランドでしか見ることの出来ない星空だった。少し話が逸れたが、自分を見つめ返し、リラックスできる面もニュージーランドにはある。
私はこの留学を通して大きく成長した、と言いたいところだが、大きな体験をしたにとどめておく。それは、単に成長という一言では言い表せられない無数の体験があるがゆえにその体験も無数の結果となって私の人生の糧となっているためである。成長という言葉を使ってしまうと一つのことに集約されてしまうように思えるため体験のまま留めておきたいという単なる自己満足である。あの星空は私の留学を象徴的にあらわしているように思う。
おそらくこの文章を読んでも皆さんは共感できない部分が多々あると思う。逆に、私はそうあって欲しいと思う。なぜなら、皆さんがそれぞれで作り上げることに意義があるからだ。私自身取り立てて変わったことをこの留学中したわけではない。しかし、それは視点を変えるだけで自分にしか出来ないものとなる。もし、留学に出る機会があるのならば自分独自の視点でそれを切って行くと更にその留学の深みが増すのではないだろうか。
▼私の留学日程表
2007年4月 | 入学とほぼ同時に語学力の向上に注力する。 |
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2008年6月 | TOEFL550点を取得し、オークランド工科大学への交換留学を決める。 |
2008年10月~1月 | 井口知恵教授のプロジェクト研究に参加し、「CSRは企業に利益をもたらすものか」という論題に取り組む。 |
2009年2月 | オークランド工科大学へ出発。 |
2009年11月 | 帰国 |
▼留学中の生活調査 私の一週間
午前 | 午後 | 夜 | |
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